「そうだ!シェイク。幼馴染の子は?」
「そんな子はいません!」
俺はバッサリと切った。
うーん……
「いっそのことフィルがうちを継げばよくね?」
いい加減面倒になった。――跡継ぎ問題があるのか……
「シェイク、頑張れー!どこかに運命的な子がいるはずだから…多分」
おいおい、言葉の最後の方が小さいけどいいんだろうか?
「運命の子ねぇ……いっそのこと平民の子でもいいかな……」
「シェイク!平民は最後の手段にして!まずは他国をあたりましょう?」
貴族主義と言うのか?どうでもいいが、なんか俺にアタリがひどい。
そのうち他国ででも自分の伴侶を拾うだろう、うん。
そんな中、丁度他国で仕事が舞い降りた。
「シェイク、隣国でちょーっとばかし稼いできて」by母上
母上の言う事には逆らえない。
なんせ後が怖いからな。
「さて、フィルいっちょ隣国に行って、ちょっと稼いできますか!」
と、俺はやる気をみせたのにさ……。
「『ちょっと』ってどのくらい?微妙なニュアンスだよね?ひとっ走り嫁探しに行ってこいって事かもしれないし……?」
……ありうる。なんせあの母上だ。
「拾ってほしそうな令嬢に出会えば、拾うだけ」
「シェイクならそうだよね、いい令嬢に出会えるといいねー」
俺は地味にフィルの縁談も考えているんだが?
令嬢ってそこらへんに落ちてるのか?否だろう?